広島高等裁判所 平成9年(行ス)5号 決定 1998年3月09日
抗告人
甲斐原弘
外三一二名
右抗告人ら代理人弁護士
山田延廣
同
山本一志
同
坂本宏一
同
池上忍
相手方
広島県知事
藤田雄山
主文
一 本件抗告を棄却する。
二 抗告費用は抗告人らの負担とする。
理由
一 抗告の趣旨及び理由は別紙即時抗告状及び意見書に記載のとおりである。
二 当裁判所の判断
1 一件記録によれば次の事実が認められる。
(一) 平成九年(行ウ)第二七号事件は、抗告人らが、平成九年一〇月一五日、奥田眞理子とともに原告として(原告総数三一四名、以下抗告人らと奥田眞理子を合わせて「原告ら」という。)、広島県知事藤田雄山を被告として、被告が平成九年三月二七日付けで恋文字開発株式会社に対して行った林地開発行為に対する許可処分および開発行為の許可処分の取消しを求める訴えを提起した事件である。
(二) 同事件において原告らは請求の原因として、恋文字開発株式会社はゴルフ場建設のため本件の二件の許可申請をなしたものであり、被告がこれをいずれも許可したものであるところ、原告らは右ゴルフ場予定地の近隣住民であり、ゴルフ場の建設により、原告らの以下の権利が侵害されるとして右両処分の取消しを求めた。なお原告らは原命令添付の意見書記載のとおり、原告らの主張する権利ないし利益は、地域の公共の利益であり、原告らの多くは、共通の一つの水源の汚染、水量減少等の回避のため訴を提起したものであり、原告らの利益は実質的に重複すると主張した。
(1) 原告らのうち二四一名について水道水利用者としての水利権もしくは人格権に基づく安全な水を安定的に確保する権利
(2) 同じく四五名について井戸水利用者としての水利権もしくは人格権に基づく安全な水を安定的に確保する権利
(3) 同じく三名についてため池からの農業用水利用者としての水利権
(4) 同じく四六名について河川水からの農業用水利用者としての水利権
(5) 同じく八三名について住民用土地建物もしくは農地の所有権
(6) 同じく一名につき開発許可区域内の入会権
(7) 原告ら全員について環境権
(三) これに対して原審裁判長は、原告らの請求は非財産権上の請求であり、一請求あたりの目的の価額は九五万円であるが、原告らの主張する権利は原告ら各人がそれぞれ亨有し、その行使によって得る利益も各人ごとに別個独立に帰属するものと判断し、三一四名の原告が各二個の請求を併合したものであるので、九五万円に六二八を乗じた五億九六六〇万円が訴額であり、訴提起の手数料は一九〇万八六〇〇円であるとして、納付済みの一万四九〇〇円との差額一八九万三七〇〇円の納付を命ずる補正命令を発した。しかし、原告らのうち奥田眞理子は自己の請求に対応する手数料を納付したが、抗告人らは納付しなかったため、抗告人らの訴状が却下されたものである。
2 本件は民事訴訟法(平成八年法律第一〇九号)施行前に、訴提起、訴状却下命令及び即時抗告がなされた事案であり、同法附則第四条、民事訴訟法の施行に伴う関係法規整備法(平成八年法律第一一〇号)第四一条により、民事訴訟法(平成八年法律第一〇九号)附則第二条による改正前の旧民事訴訟法の第一編第一章第一節「管轄」の各条項及び改正前の民事訴訟費用等に関する法律を適用して判断することになる。
3 原命令一枚目裏五行目から二枚目裏三行目までを引用する。ただし、右引用部分中に記載されている法律条項は前記のとおり、改正前のものであり、原命令二枚目表七行目の「別紙」の前に「原命令添付の」を加える。
4 抗告人らは、本件請求についての利益は、ゴルフ場の建設許可処分の取消しそのものであり、抗告人らの利益が共通する旨主張するが、本訴の請求が二つの許可処分の取消しであるとしても、訴額算定にあたり検討すべき「利益」は、その処分取消しによって当事者が得る利益であり、それは、当事者の主張する権利ないし利益により事件ごとに異なるのであるから、処分の取消しそのものを利益であると解するのは相当でない。
また、抗告人らは、本件請求の利益は地域の公共の利益であり、あるいは一つの共通した水源の汚染、水量減少の回避であって、実質的に請求する利益が重複する場合にあたると主張するが、水源の汚染の回避が地域に共通する利益であるとしてもそれは一つの重複する利益ではなく、住民である抗告人ら各人の利益の併合されたものと解するのが相当である。
よって本件抗告は理由がないからこれを棄却することとし、主文のとおり決定する。
(裁判長裁判官 東孝行 裁判官 菊地健治 裁判官 西垣昭利)
別紙意見書
記
一 はじめに
原決定は、本件訴訟の訴額の算定につき、いわゆる合算法則を適用する。しかし、以下のとおり、それは、誤った理解に立脚するものであり、その取消しは免れない。
二 訴えの主観的併合と訴訟物の価額
1 訴訟物の価額の意義―訴訟物の価額の算定基礎は、訴えにより得られるべき「直接の経済的」利益(抗告人(以下原告という)が訴えによって得ようとする最終的・究極的な利益)であり、「法的な」利益ではない。
(一) 提訴手数料は、民事訴訟費用等に関する法律によって、訴訟物の価額(訴額)をもとに算定される。
ところで、提訴手数料とは、裁判所が当事者の申立又は申出等に対して、裁判その他の一定の行為をなすべき場合に、その応答義務に対する「報酬」として徴収される料金のことである(注解民事訴訟法(3)九頁)。
このように訴額は、「報酬」額の算定基礎としてその意義をもつものである。とするなら、訴額は、請求が認容された場合に原告が受ける究極的・最終的な利益という意味での「直接の経済的」利益に結び付けられ、それを基準に決定されたものでなければならないと解するのが、報酬としての提訴手数料、その算定根拠である訴額の意義、性格にそった無理のない解釈ということになる。
(二) まさに、
「訴額とは、原告が訴えをもって主張する権利または法律関係につき、原告が有する『直接の経済的』利益を貨幣単位をもって客観的に評価した金額」(注解民事訴訟法(1)三一五頁)であり、従って、訴額の決定は、請求が認められたときに原告が受ける「法的」利益そのものとは無関係であり、それは、あくまでも「法的」利益とは別個の原告が訴えをもって得ようとする究極的最終的な利益という意味における「直接の経済的」利益(以下講学上の定義にならい「直接の経済的利益」という。)を基準としてなされなければならないというべきである。
2 訴えの主観的併合の場合の訴訟物の価額の算定
(一) 訴えの主観的併合の場合の訴額の算定方法
このように、訴額が、報酬(提訴手数料)の算定根拠であり、訴額の決定基礎が原告の訴えにより受ける「直接の経済的」利益である以上、一つの訴えで請求が主観的に併合されている場合であっても、訴えの内容である「直接の経済的」利益が各原告らにとって同一もしくは重複するときには、訴額の確定につき、いわゆる合算法則を適用すべきではない。
なぜなら、合算法則でもって訴額を算定することは正当な報酬以上の料金を徴収するという不合理な結果となってしまうからである。
(二) 改正民事訴訟法について
以上の考えを明らかにしたのが、改正民事訴訟法九条一項である。
同項は、本文で「一つの訴えで数個の請求をする場合には、その価額を合算したものを訴訟の目的の価額とする。」と規定し、さらに但書を設け「ただし、その訴えで主張する利益が各請求について共通である場合におけるその各請求については、この限りでない。」と明定した。
いかなる権利であれ、「法的な」利益は原告各々に帰属する。従って、もし、訴額の算定基礎が「法的な」利益である、同項但書にいう「その訴えによって主張する利益」が「法的な」利益であると捉えるなら、同項本文と同項但書は互いに矛盾した規定となってしまうか、同項但書が殆ど無用な規定となってしまう。ここでいう利益は、「法的」利益ではなく、訴えによって主張する「直接の経済的利益」であると解することによって、初めて同項が矛盾のないものとなり、同項但書が十分な意味をもつ規定となるのである。
このような考えに基づく判断は、これまでも裁判例等でつとに明らかにされてきたところである。
例えば、「(数個の請求を併合して訴えを提起した場合でも)その経済的利益が同一ないし重複するときは合算法則を適用するのは、不合理であるので、このような場合には、各請求の価額は重複する程度で吸収し合い、その最も多額の請求の価額を基礎に算定される(裁判所書記官研修所刊・民事訴訟費用等の研究・二一一頁)」とされ、裁判例も数人が共同して除名決議無効確認請求を提起した事案で共同訴訟人の数に応じる請求が併合されているとしても、各請求の目的は一個の除名決議の無効確認を求めるものであるから、訴訟物の価額は合算により決すべきではない(東京高判昭和五年七月一九日)とし、あるいは、複数の原告がカンボジアPKO派遣差止請求を求めて提訴した事案で原告らが訴えをもって主張する利益は、自衛隊のカンボジア派遣が中止されることそれ自体であり、それら利益は全員を通じて共通であるとして、合算法則は適用すべきでない(大阪高決平成五年八月九日)。
さらに、多数の原告がゴルフ場の建設禁止を求めて提訴した事案において原告らの訴えにかかる利益はゴルフ場の建設が中止されることそれ自体であり、右利益は、全員を通じて共通するとして、訴額は合算により決定すべきではない(大阪高裁判平成五年一二月二一日)としている。
改正民事訴訟法九条一項により、訴えの主観的併合の場合に、訴えにかかる直接の経済的利益が同一のときには合算法則は適用しないとする考えが、立法的に確認されたというべきことになる。
3 処分取り消し訴訟の「直接的経済利益」
処分取り消し訴訟の主観的併合のばあい、その経済的利益はその処分がなされなかった状態に戻すことを求めるものであり、その均一性、及び同一性は差し止め請求より、よい明白である。「各請求の目的は一個の」許可処分の取り消しを求めるものにすぎないからである(前記東京高裁の除名決議の裁判例を参照のこと)。
4 原決定の誤り
以上を前提に本件を検討した場合、訴額の決定に合算法則は妥当しえず、原審の判断が誤っていることは、以下のとおり明らかである。
(一) 原審意見書等において主張したように、原告らは、本件ゴルフ場の建設が、一定の広範な地域にわたって右地域の水質を汚染し、水量を減少させ、土砂災害を引き起こし、自然環境を破壊するなど、右地域内の住民の生命身体・動植物等に甚大な被害を与えるおそれがあるにも拘わらず、被告はこの点を十分に審査せず、この開発の許可処分を行ったため、この処分の取り消しを求めて訴えを提起したものである。
従って、原告らが本件訴えをなした目的は、本件ゴルフ場建設の許可処分を取消すことであり、それが本件訴えによって得ようとする直接の経済的利益である。
そして、右の直接の経済的利益は、それぞれの原告にとって同一であり、あるいは、全く共通し、重複する関係にあることは明白である。
(二) 原決定は、「原告らの主張する各権利ないし利益は、各原告らそれぞれが亨有し、その行使によって原告らの得ることのできる利益も、個々の原告ごとに別個独立に帰属する」からとして(二丁表)、訴訟物の価額の算定につき、合算法則を適用する。
確かに、原告らは法的な利益をそれぞれが受けうる地位に立っているかも知れない。
しかし、原告らの右の法的利益はあくまでも本件ゴルフ場の建設許可処分の取消しという一つの事象によってもたらされるものであり、ゴルフ場の建設許可処分の取消しそのものが、原告らが訴えをもって求めようとしているものであり、また、それが本件訴えの直接の経済的利益に外ならない。
そして、右の直接の経済的利益が原告らすべてに共通し、全く重複することはいうまでもない。
原決定は、提訴手数料が報酬であり訴額が報酬の決定要素であるということから、訴額決定の根拠が原告の受ける法的な利益ではなく、あくまでも「法的な」利益とは別個の「直接の経済的」利益であり、右にいう「直接の経済的」利益が訴額の決定基準となることに思いを致そうとしない誤った理解に基くものであることは既に論じたところから明らかというべきである。
(三) 本件と同様(本件行政処分の取り消しより、より原告らが受ける利益に個人差が生じやすい面があるが)多数の原告によるゴルフ場の建設差止訴訟において貼用印紙額が問題となった事案で、左記の大阪高裁平成五年一二月二一日判決は、「……本件訴えは、要するに被控訴人らが……ゴルフ場の建設工事の差止めを求めるものであって、この訴えをもって主張する利益は、同ゴルフ場の建設が中止されることそれ自体であるから、その利益は控訴人ら全員を通じて共通のものと認めるのが相当である。」として、訴額の算定基準は、訴えにかかる直接の経済的利益である旨を明らかにし、右利益は、原告ら全員に共通するものとし、さらに、「控訴人らは、差止めを求める法的根拠として、人格権、環境権、自然亨有権、歴史的景観等を主張しているけれども、個々の控訴人らに帰属すると主張するこれらの権利が侵害されることによって現に発生し、または発生するおそれのある各人固有の不利益のまたは予防を本件において求める法的根拠として、控訴人らが右のような権利を主張しているからといって、本件訴えをもって主張する利益が各控訴人ごとに別個独立に存在するものといわなければならないものではない。」と判示して、訴額算定にとって原告の受ける個々の法的利益(なお、本件においては、原告らの処分の取り消しを求める法的な利益は、抗告状において述べたとおり、一次的には地域住民としての地域環境を守る権利=環境権を主張しているもので個々の利益は同一かつ一体である。)は直接意味をもつものではないとする。
三 国民の裁判を受ける権利との関係
1 以上、原決定の誤りは、訴訟費用制度そのものの無理解に起因するもので、原決定は、取消されるべきであるが、このことに加え、原告らの有する「国民の裁判を受ける権利」(憲法三二条)を考え合わせた場合、以下のとおり、本件に合算法則を適用することは右の権利の侵害をもたらすものであることが明らかとなり、原判決の不当性は、より一層明白なものとなる。
2 裁判を受ける権利―環境保護訴訟の特殊性
(一) 裁判所は、公正かつ実効的な力を有する紛争解決機関であり、全ての国民はこのような裁判所による裁判を受ける権利を憲法上保障されていること、そして、現代において裁判所に対する国民の期待は一層高まり切実なものとなっていること、かかる状況の中で、かつ、国民から遊離した「司法の危機」が叫ばれる中で、国民の裁判へのアクセスを実質的に保障し、かつ、裁判所が期待された役割を果たすことは国民の裁判を受ける権利を保障する見地から最重要課題となっていること等は、抗告状で詳しく論じたとおりである。
とりわけ、本件のような環境保護訴訟は、ことの性質上、多数の住民が原告となって訴訟が提起され、多数の原告が主張し、立証し、審理が尽くされて初めてその環境破壊の実態の解明が十分なものとなるのである。従って、この種の訴訟は、できるだけ多くの住民に訴訟への途を開くことが裁判所の公正・的確な判断のために不可欠であることも、これまた、抗告状で述べたとおりである。
よって、裁判所が担うべき裁判を受ける権利の実質化・具体化の責務・本件のような環境保護訴訟の特殊性等を踏まえた場合、裁判所は、できるだけ容易にかつ低廉な費用で多くの住民が出訴しうる方法を講じなければならず、訴額の算定にあたっての裁判所の判断は、前記訴訟の特殊性及び必要性、提訴手数料を支払い得る可能性等の現実を直視し、いやしくも国民の裁判を受ける権利を侵害し、阻害しないものでなければならない(裁判所の憲法上の義務)。
だからこそ、このことを踏まえ、改正民事訴訟法九条一項但書は、原告各人の利益が共通する集団訴訟(例えば、差止訴訟)についての訴額の算定に関し、合算法則は適用しないとする旨を立法的にも確認したのである(ジュリスト一一一二号六一頁)。
(二) この点、原判決は、理屈に合わない高額の金額を手数料とし、その納付を命ずるもので、多くの住民の訴訟参加を事実上断念させることにつながるものである。
住民の中には、資力が不十分なものも多数存在している。
また、本件の場合、合算法則を基準にした提訴手数料の一人当たりの負担金額は金三二三一円であるところ、この程度の負担はとりたてて問題とすべき負担ではないとする見解は、実態に目を背けた机上の空論というべきである。本件訴訟を提起するにあたり、原告らは実地調査等に要する費用、公文書公開制度の利用による資料収集費用、さらに全国を視野に入れた同種環境破壊事例についての資料収集費用等、実費だけでも通常の裁判以上のかなりの出費を費用として負担しなければならない。
当然のことながら、原告らが負担するのは提訴手数料だけではないのである。さらに、確かに、これまで同種の訴訟につき、合算された訴額を基準とした提訴手数料が納付され訴訟が遂行された事例も存在する。
しかし、右の訴訟のうちには、高額な手数料額の納付に耐え切れないために当初からあるいは中途からやむなく原告の数を絞り込み、その結果、不本意な訴訟遂行を余儀なくされた者が多数存在している。また、本件と同種の事案で提訴自体を断念したケースも多々見受けられることも周知の事実となっている。
右の事実は到底看過することはできず、右の事実そのものが、原決定が原告らに訴えの断念を事実上強制し、原告らの出訴の途を閉ざし、原告らの裁判を受ける権利の侵害につながることの証左というべきである。
(三) そして、重要なことは、本件のような訴訟の訴額の決定に合算法則を適用する考えが他方で存在するとしても、このことが、裁判所としては訴額を一括算定する旨の判断をなすべきであるとの原告らの主張にいささかも不合理性をもたらすものではないということである。
二つの解釈の可能性がある場合、当然のことながら、憲法を擁護する裁判所は、憲法に適合するように解釈して最終的な判断の選択をしなければならない。
合算法則の適用が原告らの訴訟遂行を阻むもので、取り下げの強要となることは、前記のとおりである。
とりわけ、本件の場合、原審は訴額の決定をなすにあたって、改正民事訴訟法九条一項の存在を無視することなどできないはずである。
本件の原審への訴え提起は、平成九年一〇月一五日であり、右時期は、改正民事訴訟法の施行前ではあったが、しかし、右法の公布は、平成八年六月二六日であり、本件訴えの提起は右公布から一年以上も経過した時点においてなされたものである。
従って、原審による本件提訴手数料の算定が審理された時期は、先にみたとおり、改正作業に向けた議論がし尽くされ、その結果、集団訴訟の場合その訴え提起を阻まないよう一括算定でもって訴額を決定すべき旨が、裁判を受ける権利の具体化として実質的に立法上の確認を見た後の時期にあたるものである。
とするなら、かかる改正民事訴訟法九条一項の存在、内容を前にした原審にとって、合算法則の適用を正当化し得る根拠はどこにもなく、一括算定しか判断の余地はなかったということになる。
四 以上、原決定は、不合理に不合理を重ねたものであり、訴訟費用制度の理解を誤った原決定、原告らの裁判を受ける権利をあからさまに奪う結果となる原決定は、すみやかに取消されるべきである。